必要なのは語る力とまとめる力
政府の来年度予算案編成に向けた動きが最終局面である。一般会計の総額は114兆円台で調整しており、過去最大規模となる。今年度当初予算が107.6兆円だったことから7兆円近く増額される。
概算要求額が110兆円台だったので、概算要求からも4兆円前後増える計算だ。概算要求では事項要求が多く110兆円台はいくかなと思っていたが、ここまで増えるとは思わなかった。
政府案は今週末に閣議決定される。税収が過去最高となり新規発行の国債は減額するようだが、歳出における国債費と社会保障費の割合は相変わらず高く、この構図を大きく変えないと、日本の新しい未来図は描きづらい。
政府は、防衛力強化や新しい資本主義、デジタル、グリーン、賃上げ、物価高対策、こども・子育て支援などを重点施策とするが、どこまでメリハリが付いているかにも注目したい。
得意の聞く力で必要以上に規模が膨らんだだけなら残念である。岸田首相の必要なことは丁寧に説明しようする姿勢は評価したいが、その後に続く言葉や手続きが足りない。
この二つが足りなければ理解を得るのは難しい。首相に今必要なのは、語る力とまとめる力である。